家族信託(民事信託)を活用したケースその3:自分の死後、息子に相続財産を少しずつ渡したい
Aさんには息子のBさんがいて、仮にAさんがなくなった場合は全財産を息子のBさんに相続させたいと考えています。
しかし、Bさんには浪費癖があり、一度に多額の遺産を相続させると、仕事を辞めて遺産を浪費してしまうことが心配です。
Aさんは、相続後もBさんがしっかりと仕事を続け、Aさんの遺産を浪費せずに大切に使ってほしいと願っています。良い方法はないでしょうか?
民事信託を活用した解決例
信託を活用すれば、Aさんの遺産から毎年一定額を分割して息子のBさんに渡していくことが可能です。
方法としては、Aさんがなくなった際に、信頼できる親族か信託会社に遺産を信託する旨の遺言を作成しておきます。
また、信託した財産の受益者(預けられた財産から得られる利益を受け取る人)を息子のBさんに設定しておき、遺言書で指定した額を指定した頻度で、その親族または信託会社からBさんに支払うように定めておきます。
このほか、遺産を残したい子供が幼かったり、障がいを抱えているなどにより財産の管理能力がない場合など、まとまった財産を相続させても適切に管理されないようなケースがあります。
このような場合には上記のように信託を活用して遺産を分割して渡すことをお勧めします。
なお、同様のことを遺言ではなく、民事信託契約により、ご自分が亡くなる前から行うことも可能です。
この記事を担当した執筆者

福島いなほ法律事務所
佐藤 初美
- 保有資格
- 弁護士・家族信託専門士・ファイナンシャルプランナー(AFP)・介護職員初任者研修修了
- 専門分野
- 債務整理・相続・遺言・家族信託・成年後見・その他
- 経歴